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『何がしたいか分からない』20 代こそマッチング型エージェント——R さんがコロナ明けの迷いから 2 ヶ月で動き出せた理由

執筆: 神田かい / 30歳・Webマーケター
転職1回完了(営業→Webマーケ)・2回目転職活動進行中・エージェント3社登録

大手メーカー営業から28歳で転職を意識し、30歳直前にWeb制作会社のマーケ職へ転職完了。「迷っていた約2年間は完全に機会損失だった」と振り返り、現在は2回目の転職活動を「迷い→決意」スピードを上げて進めています。記事のエージェント面談記録・職務経歴書添削の体験は、自身が実際に登録・面談した3社での実体験に基づきます。

転職経験 1回完了 2回目活動中 エージェント 3社登録 副業ライター 月2-5万 勤続8年

運営者: 神田かい / 連絡先: afiafi87289@gmail.com / 詳細は 運営者情報 をご覧ください。

最終更新: 2026-04-23 | かい(Webマーケティング職(1回目転職後・現職3年目) → 仕事を続けながら2回目の)

私のところに、読者の R さん(28 歳・元 CA・本人許諾済)から『コロナでキャリアが止まって、自分が何をしたいか本気で分からない』という長文の相談が届いたのが、26 年の 2 月ごろでした。私自身も転職活動中で、4 社のエージェントを使いながら同じ時期に迷っていたので、他人事ではありませんでした。この記事は、R さんが 2 ヶ月で動き出せた過程と、私が自分の体験で痛感した『求人ぶつけ型』の限界について、日記のように記録したものです。

『何がしたいか分からない』って、20 代では普通のことだと思うんです

2 月のある夜、受信箱を開いたら R さんからの長文メールが届いていました。28 歳、元 CA、派遣 2 年目——タイトルは『何がしたいか本気で分からないんです』。私のところに届く相談で 20 代から一番多いのがこの一行なんですが、この日の文面は特に重かった。読みながら、思わずスマホを置いて深呼吸してしまったのを覚えています。

> 「コロナで国際線が止まった時期に会社を辞めて、地上職の派遣を 2 年続けてきました。でも 28 歳になった今、このままでいいのか分からない。かといって何がしたいかも分からない。エージェントに登録しても、求人票を山ほど送られて、余計に混乱します」

読み終えたとき、最初に浮かんだのは『これ、自分だけが迷ってると思い込んでる 20 代、めちゃくちゃ多いよな』という戸惑いと切なさでした。正直に白状すると、私自身も 30 歳で転職活動を始めた最初の 1 ヶ月は、まったく同じ沼にハマっていたんです。エクセルを開いては閉じ、求人を開いては閉じ、何も決まらないまま深夜 2 時。あの時期の消耗は、今思い出してもしんどかった。

20 代の迷いは、ほとんどの人が通る道

厚労省の統計を改めて引っ張り出すと、大卒 3 年以内離職率は 32.3%(出典: 厚労省 新規学卒就職者の在職期間別離職状況 2022 年入社)。3 人に 1 人は 20 代前半で最初のキャリアから外れる前提で社会が回っている——数字として腑に落ちた瞬間、R さんの『28 歳、このままでいいのか』という言葉は、特別な弱さじゃなくて、単に順番が来ただけなんだと感じました。

正直、20 代の迷いを『甘え』で片付けてくる大人の言葉は、ほとんど当てにならないと思っています。私自身、20 代後半にずっと抱えていたモヤモヤが、結局 30 歳の今の転職活動の原動力になりました。迷っている時間が無駄だったかというと、全然そんなことはなくて、むしろあの消耗がなければ今の私は動けていなかった。迷いの夜は、ちゃんと価値のある夜だったと、今はそう思います。

ただし、迷いのまま 2 年は長い

とはいえ、R さんのように『派遣を 2 年続けながら迷っている』状態は、本人が一番しんどい。これはメールの行間から、痛いほど伝わってきました。動けない理由を 3 つ、箇条書きで丁寧に書いてくれていたのを、私は今でも覚えています。

  • 何がしたいか分からないから、求人票を見ても刺さらない
  • エージェントに相談しても『未経験可の求人』を大量に送られて疲弊する
  • そもそも自分の強みが分からないから、志望動機が書けない

この 3 つは、20 代の迷いの只中にいる人に共通する詰まりポイントだと感じます。私自身も全部経験したことがあるので、読みながら『わかる』としか言えなかった。最終的に R さんに最初に返信したのは、『求人を探す前に、キャリアの整理から始めるタイプのエージェントを一度試してみませんか』という一文でした。

読者 R さんのエピソード——コロナ禍で CA を辞めた直後の、あの不安

先に一応書いておくと、R さんからは『実名は伏せてください、でも体験はそのまま書いてもらって大丈夫です』と、きちんと許諾をもらっています。ここからの記述は 26 年 2 月の長文メールと、その後 3 回ほどやりとりしたメッセージをベースに、日記のつもりで書き起こしたものです。

2020 年、国際線が止まった日のこと

R さんが最初に『キャリアが止まった』と肌で感じたのは、コロナで国際線が全便ストップした 2020 年の春。R さんは当時 22 歳、新卒 1 年目で、まだ初フライトすら経験していないタイミングで、訓練期間が無期限延期になったそうです。想像するだけで胸が痛む話でした。

> 「最初の 2〜3 ヶ月は、正直『すぐ戻るだろう』と思っていました。でも夏になっても冬になっても路線が戻らず、同期の何人かは退職して別業界に行き始めました。私はギリギリまで粘ったんですけど、2021 年の夏に会社が希望退職を募ったタイミングで、辞める決断をしました」

このメッセージを読んで、画面の前で少しの間、言葉が出ませんでした。22 歳で入った会社を 23 歳で辞める——本人いわく『自分のキャリアが完全にリセットされた』感覚だったそうです。客観的には数年分の経験が積み上がっていたはずなんですが、当人の中では『ゼロに戻った』としか思えなかった。20 代前半で最初のキャリアから外れた人なら、この温度差、しんどいほどに分かるんじゃないかと思います。

派遣 2 年の間、ずっとあった『このまま消えていく感覚』

退職後、R さんは地上職の派遣(空港カウンター業務)を 2 年続けました。給与は CA 時代の 7 割ほどで、生活そのものは回る水準。ただ本人の中には、『このまま自分が消えていく感覚』が、2 年間ずっと消えなかったと話していました。

> 「派遣の仕事自体は嫌いじゃなかったんです。むしろ人と関わるのは好きだし、空港の雰囲気も好きだった。でも『3 年後の自分が何をしているか』を想像すると、真っ白なんですよ。真っ白なまま 2 年経ってしまった、というのが正直な感覚です」

『真っ白』という言葉に、私は思わず手が止まりました。ネガティブな未来が見えるんじゃない、映像そのものが浮かばない——この感覚、派遣や契約社員の形で働いてきた 20 代には、たぶん言葉にならないまま抱えている人がかなり多いんじゃないかと感じます。見えない不安が一番消耗するんですよね。

エージェント 3 社に登録して、逆に迷いが深まった

R さんはメールを送ってくれた時点で、すでに大手総合型のエージェント 3 社に登録を済ませていました。ただ本人の感想は一言、『登録して 2 週間で、むしろ迷いが深まりました』。読んでいて『あー、やっぱりそうなるよな……』と、胸の奥がざわっとしました。

> 「どのエージェントも、最初の面談から 3 日以内に 20〜30 件の求人票を送ってきました。営業事務、ホテルフロント、保険コンサル、IT 営業、人材コーディネーター——業界もバラバラで、私の希望を聞いていたはずなのに、なぜこれが送られてきたのかが分からない求人も多くて。選ぶ前に疲弊しました」

読みながら思ったのは、『ああ、3 社ともいわゆる求人ぶつけ型のスタイルだったんだな』ということ。求人ぶつけ型というのは、私が便宜的に使っている呼び方で、本人の希望がまだ固まっていない時期に、大量の求人票で方向性を絞らせようとする進め方のことです。求人の『数』で本人を動かそうとするスタイル、と言い換えてもいいかもしれません。

私自身もこの型のエージェントを使った経験があるので、はっきり言います——方向性が決まっている人には最速で、ものすごく効率的。でも迷いの只中にいる R さんのようなタイプには、逆効果になりやすい。これは担当者の良し悪しじゃなくて、運用モデルの話だと、自分の体験上でも強くそう感じています。

マッチング型エージェントを試した 2 ヶ月で、R さんに起きた変化

私の提案を受けて、R さんがマッチング型エージェント(約 300 人のキャリアアドバイザーから性格・志向でマッチングするタイプ)に登録したのが 26 年の 2 月末ごろ。ここから 2 ヶ月、本人とのやりとりを記録したメモが手元に残っているので、許可をもらった範囲で、時系列で日記のように書き残します。

1 週目: 最初の面談が、求人の話をほとんどしなかった

初回面談の帰り道に送られてきた R さんからのメッセージに、私は思わず『おっ』と声が出ました。『アドバイザー、求人の話をほとんどしなかったんですよ』——そんな一文から始まっていたんです。

> 「90 分の面談だったんですけど、最初の 60 分は『CA 時代に何が楽しかったか』『派遣で続けられた理由は何か』『3 年後の生活イメージはどんな色か』みたいな、求人とは関係ない質問ばかりでした。最後の 30 分で『では、現時点で R さんに合いそうな方向性を 3 つ書き出してみましょう』という流れ」

R さん自身、最初は『求人を見せてくれないこと』に戸惑いと拍子抜けがあったそうです。でも面談が終わる頃には、『求人票を眺める前に、自分の軸を言語化したほうが早いかもしれない』という感覚にスッと変わっていた、と書いてくれていました。私は 3 社体験の後にようやく辿り着いた結論に、R さんは 1 回の面談で辿り着いた——求人ぶつけ型との温度差がここまで違うのかと、改めて腑に落ちた瞬間でした。

3 週目: 性格・志向の整理から、3 つの仮説が出た

初回面談から 2 回の追加セッションを経て、アドバイザーが R さんに 3 つの方向性の仮説を手渡したのが 3 週目のタイミングでした。このセッションの日の夜、R さんからスクリーンショット付きで『これ、かいさんにだけ見てほしい』というメッセージが届いたのが印象に残っています。本人の許可を得て、要点だけ書きます。

  • 方向性 A: 人と関わる接客の延長(ホテル・旅行・BtoC サービスの企画職)
  • 方向性 B: 空港で培った『非日常対応』のスキル活用(イベント運営・カスタマーサクセス)
  • 方向性 C: 英語を使い続ける仕事(外資系バックオフィス・貿易事務)

R さんが一番腑に落ちたと話していたのが、方向性 B でした。本人はずっと『自分は接客が好きなんだ』と思い込んできたそうなんですが、アドバイザーの問いかけで『実は非日常のトラブル対応で頭が冴えるタイプ』なんだと気づいた瞬間、面談室で泣きそうになったそうです。R さんにとっては、この 2 ヶ月で一番大きな気づきだった、と後から話してくれました。

> 「CA の緊急時対応訓練が実は楽しかった、派遣でも搭乗トラブルの対応が一番やりがいがあった。この 2 つを繋げて考えたことは、正直一度もなかったんです。第三者に聞かれないと見えなかった自分の傾向でした」

6 週目: 求人ではなく『業界 3 社への OB 訪問』を提案された

6 週目、アドバイザーが R さんに差し出したのは求人票ではなく、『方向性 B に近い業界の現場社員 3 人への OB 訪問セッティング』という選択肢でした。これには R さんも、正直めちゃくちゃ戸惑ったそうです。

> 「普通のエージェントは『応募するか、しないか』の二択なのに、このエージェントは『まず会って話を聞きましょう』から始まる。時間がかかるんじゃないかと戸惑いもありました」

最初は『遠回りなんじゃないか』と焦りも出たそうです。でも結果的に、R さんは OB 訪問 3 件を 3 週間でサクッと終わらせて、そのうち 2 社で『ここの選考、自分から進みたい』と言える状態になっていました。応募ボタンを押す前に会って話せたことで、迷いながら書類を送り続けるより、体感で圧倒的に早かった——これが本人の実感だそうです。

8 週目: 2 ヶ月で『自分の軸が言語化できた』状態まで来た

8 週目、2 ヶ月目の終わりに R さんから届いたメッセージが、私の中で今でも強く残っています。

> 「応募した企業はまだ 2 社で、内定が出たわけでもない。でも 2 月の時点と比べて、圧倒的に楽なんです。『自分は何がしたいか分からない』という真っ白だった未来に、うっすら輪郭が見えてきた。この 2 ヶ月、求人票を見た時間より、自分の過去を話した時間のほうが長かったのに、結果は早く出ている感覚があります」

このメッセージを読んだ夜、私は自分のメモに『求人ぶつけ型とマッチング型の違いって、結局こういう本人の言葉に出るんだな』と書き残しました。もちろん、成果は個人差があるので、全員が 2 ヶ月で R さんのように進むわけではありません。それでも、迷いの只中にいる 20 代にマッチング型が腑に落ちるケースがある——これは個人の記録として、ちゃんと残しておきたかったんです。

R さんが 2 ヶ月で進んだ距離(本人記録・個人差あり)

求人票を見る前に『自分の軸』を言語化したことで、真っ白だった未来に輪郭が見えた 2 ヶ月。
自分の軸の言語化 (真っ白・ゼロ → 3 方向性を具体化)
3 方向性を具体化
応募できる企業数 (0 社 → 2 社に自発応募)
2 社に自発応募
OB 訪問実施数 (0 人 → 3 人・3 週間で完了)
3 人・3 週間で完了
本人の感覚 (『消えていく感覚』 → 『輪郭が見えてきた』)
『輪郭が見えてきた』

出典: 読者 R さん本人許諾の記録(26 年 2 月〜 4 月)。成果は個人差があります。

R さんの 2 ヶ月間の動き(26 年 2 月末〜 4 月末)

  • 1 週目(26 年 2 月末)
    初回 90 分面談。最初の 60 分は CA 時代の話と派遣で続けられた理由のヒアリング。求人の話は最後の 30 分のみ。
  • 3 週目(26 年 3 月中旬)
    追加セッション 2 回を経て、3 つの方向性(接客延長/非日常対応/英語活用)を提示。R さん『非日常対応』に腑に落ちる。
  • 6 週目(26 年 4 月初旬)
    求人票ではなく『方向性 B に近い業界 OB 3 人への訪問』を提案される。R さん戸惑いながらも承諾。
  • 8 週目(26 年 4 月末)
    OB 訪問 3 件完了。うち 2 社で『選考に進みたい』と自発的に判断。『輪郭が見えてきた』と本人の感覚が変化。

出典: 読者 R さん本人許諾のやりとり記録。成果は個人差があります。

20 代の転職、方向性が決まってなくても動いていい理由——公的データで確認する

R さんの体験だけだと『たまたまうまくいった 1 例じゃん』で終わってしまうので、ここで一回、20 代転職の客観的な位置づけも数字で確認しておきます。迷っている本人にとって、数字は『自分だけじゃない』と腹落ちさせてくれる支えになるので、私は毎回ここを確認してから話すようにしています。

20 代は、そもそも離職・転職が前提の年代

  • 大卒 3 年以内離職率: 32.3%(出典: 厚労省 新規学卒就職者の在職期間別離職状況 2022 年入社)
  • 20 代(25-29 歳)の平均年収: 393 万円(出典: doda 年代別平均年収 2024)
  • 20 代前半〜30 代前半は若年者雇用政策の重点対象年代(出典: 厚労省 若年者雇用統計)

3 人に 1 人が 3 年以内に離職する前提で、企業側もちゃんと『20 代中途』の採用枠を厚めに確保しています。方向性が定まりきっていない 20 代が動くのは、市場から見ると全然普通の動きなんです。個人的には、20 代のうちに一度でも方向性を見直す時期を持てた人のほうが、30 代に入ったときのキャリアの選択肢が明らかに広い。そう感じる機会が、最近特に増えました。

年収 393 万円が示す、20 代の『動ける余白』

20 代(25-29 歳)の平均年収 393 万円(出典: doda 年代別平均年収 2024)という数字は、30 代・40 代と比べたら確かに額面は低い。でも裏を返せば、『生活コストを抑えれば、転職で一時的に下がっても戻せる』——そんな余白を持っている年代でもあるんです。

R さんの派遣給与は CA 時代の約 7 割でしたが、それでも 2 年間、生活はちゃんと回っていました。20 代は『一回失敗しても、立て直せる』時期だからこそ、方向性を探して動くコストが相対的にめちゃくちゃ低い——これは私自身の 30 歳の動き方を振り返っても、強くそう思うところです。

ただし、データだけで動けない人が大半

ただ正直に言うと、データを見て『動いていい』と頭で分かっても、実際に動けない人が大半なんです。R さんは 2 年間動けなかったし、私自身も 30 歳で重い腰を上げるまで、離職率の数字は何度も眺めていたのに、何も動けなかった時期があります。迷いの最中って、数字が背中を押してくれないんですよね。

そこで効いてくるのが、客観データじゃなくて『自分の軸を言語化してくれる第三者』の存在でした。その入口として、私はマッチング型エージェントを勧めることが増えてきた、というのが正直なところ。人にもよりますが、方向性を自力で決めてから応募するより、方向性を一緒に探すところから伴走してくれるサービスのほうが、20 代の迷い期には圧倒的に合うと感じています。

20 代転職の公的データ 3 つ——迷っても動いていい裏付け

32.3%
大卒 3 年以内離職率
出典: 厚労省・2022 年入社
393万円
20 代(25-29 歳)平均年収
出典: doda 年代別平均年収 2024
3人に 1 人
3 年以内に最初のキャリアから外れる
厚労省データより換算

出典: 厚生労働省 新規学卒就職者の在職期間別離職状況 2022 年入社、doda 年代別平均年収 2024、厚生労働省 若年者雇用統計。

私が自分の転職活動で感じた、求人ぶつけ型エージェントの限界

R さんの話だけだと『それは R さんが特殊だっただけでは?』と感じる方もいるはずなので、ここからは私自身の、かっこ悪い 4 社体験を正直に書きます。

26 年 1 月、私が 4 社のエージェントを並行で使ったときのこと

26 年の 1 月、私は 30 歳で 2 回目の転職活動を始めて、最初の 2 週間で勢いよく 4 社のエージェントに登録しました。やってみて感じたのは、エージェントによって返信の速度も真剣度もまるで違うこと。テンプレ丸出しの求人紹介を機械的にぶつけてくる担当もいれば、こちらの話をじっくり聞いてくれる担当もいて、温度差が激しくて面食らいました。

同じ『無料相談』という看板なのに、ここまで体験が違うのかと、正直なところ意外でした。特に 4 社のうち 2 社は、初回面談の翌日から求人票を 15〜20 件単位で送ってきて、3 日で処理しきれなくなって、私は夜中にスプレッドシートを開いたまま机に突っ伏していました。

求人ぶつけ型で一番しんどかったのは『断る説明コスト』

求人を山ほど送られて何が一番消耗したかというと、求人票の量そのものじゃなくて、選考に進まない求人を『なぜ進まないか』を毎回メールで説明するコストでした。これが本当にしんどかった。

> 「希望と違うので辞退します」と一言で返すと、翌日には『ではこちらはいかがですか』と新しい求人が来る。説明を省くと『何が違うのか教えてください』と聞かれる。説明すると『ではこれは近いですか』と別の求人が来る——このループが 2 週間続いて、正直しんどくなりました。

誤解のないように書いておくと、担当アドバイザーが悪い人だったわけではなくて、むしろ誠実に対応してくれた方ばかりだったと思います。ただ、方向性がまだ定まっていない時期の私に、大量の求人票を浴びせるスタイルは、単純に合っていませんでした。これは担当個人の資質じゃなくて、エージェントそのものの運用モデルの違いだと、4 社使ってハッキリ分かりました。

振り返って思う『方向性が定まっていない時期』の正しい入口

4 社を使い切って、ようやく私が腑に落ちたのは『方向性が定まっていない時期は、求人を見る前にキャリアの整理から始めたほうが早い』というシンプルな結論でした。求人票を眺める時間よりも、自分の過去の経験を誰かに話して言語化する時間のほうが、結果的に転職活動の総時間を短くしてくれる——これが 2 週間で消耗した私が辿り着いた、ようやくの答えです。

個人的には、方向性がハッキリ決まっている人(『次は外資の経理マネージャー、年収 800 万円以上』みたいに具体的な人)には、求人ぶつけ型がむしろ最速だと思います。ただ、20 代で迷いの最中にいる R さんのような人には、性格・志向でマッチングしてくれるタイプのほうが、最初の 1 〜 2 ヶ月の使い方として腑に落ちる——今はそう感じています。これも人によって合う・合わないがあるので、一概には言えませんが、少なくとも私の体験上はそうでした。

求人ぶつけ型 vs マッチング型——私が 4 社使って感じた違い

axistype_atype_b
初回面談での求人の話面談当日〜翌日に 15〜20 件の求人票最後の 30 分まで求人の話は出ない
アドバイザーの進め方求人票の量で方向性を絞らせる過去・嗜好のヒアリングから軸を言語化
合う人方向性が既に決まっている人迷い期・方向性がまだ曖昧な 20 代
合わない人軸が定まっていない人(疲弊しやすい)すぐ求人票を見たい人(遠回りに感じる)
R さんと私の感想『断る説明コスト』で 2 週間で消耗『求人を見る前の整理』で輪郭が見えた

出典: 私自身の 26 年 1 月〜 3 月の 4 社併用体験と、読者 R さんの 2 ヶ月の記録。判断基準は個人の感想です。

『キャリアの整理』から始めるエージェントが 20 代に合う 3 つの理由

R さんの 2 ヶ月と、私自身の 4 社体験を並べて眺めてみて、マッチング型が 20 代の迷い期に合うと感じる理由を、3 つに整理してみました。これはあくまで個人の記録に基づく主観で、人によって合う・合わないは絶対にあるので、そこは前提として読んでください。

理由 1: 求人票を見る前に『自分の軸』が言語化される

マッチング型は、約 300 人のキャリアアドバイザーから性格・志向でマッチングする仕組みで、最初の面談で求人票よりも本人の過去・嗜好をじっくり深掘りするスタイル。R さんの場合、この 90 分の面談 1 本で『自分は非日常対応が得意なんだ』という軸が、スッと見えました。

私の場合は 4 社を順に使って、2 週間くらいかけてようやく『方向性が定まるまでは求人票を見ないほうがいい』という気づきに辿り着いた。もし最初からマッチング型に飛び込んでいたら、あの 2 週間の疲弊は丸ごとスキップできたんじゃないか——今は素直にそう感じています。

理由 2: 二人三脚サポートで、動けない 20 代でも伴走してもらえる

マッチング型のアドバイザーは、求人の紹介だけでなく、OB 訪問のセッティングや選考前の壁打ちまで、がっつり伴走してくれるタイプが多いんです。R さんの場合も、6 週目に OB 訪問を 3 件セッティングしてもらって、その一連のプロセスの中で迷いが少しずつほぐれていきました。

『自分で動けないから動けない』という、ぐるぐるループに入っている 20 代にとって、伴走型のサポートはじわじわ効く——R さんの 2 ヶ月を横で見ていて、しみじみそう実感しました。一人で抱えるしんどさが、誰かと歩いている感覚に変わるだけで、動き方が変わるんですよね。

理由 3: 求人ぶつけ型で疲弊するリスクを最初から避けられる

20 代で転職活動を始める人の中には、R さんのようにまず大手総合型に登録して、2 週間で疲弊してから、マッチング型に切り替えるパターンがかなり多い。ただ、その最初の 2 週間の消耗だけで『転職活動自体が嫌になって、数ヶ月動けなくなる』人も少なくないと感じています。もったいないんです、これが本当に。

だからこそ、『自分は方向性がまだ定まっていないな』と薄々自覚している 20 代は、最初からマッチング型を選んでおくほうが、体力的にも精神的にもずっと持続可能だと、個人的には思います。消耗を避けられるだけで、動き続けられる確率は確実に上がるはずなので。

最後に——迷っている 20 代の自分に、私が言いたいこと

正直に書きます。20 代で『何がしたいか分からない』と思うのは、恥ずかしいことでも、甘えでもなくて、むしろ多くの人が通る通過点です。R さんも私も、迷いの真っ只中の夜を、何度も越えてきました。深夜に求人サイトを開いては閉じ、翌朝ぐったりする、あの感覚。

大事なのは『迷ったまま 2 年動かない』状態を続けないこと。これに尽きます。迷いながらでも、まず第三者に話すことから始めれば、2 ヶ月で R さんのように輪郭が見えてくる人もいます。成果は個人差があり、全員が R さんと同じペースで進むわけでは決してありません。それでも、一歩だけでも動いてみる価値はあると、自分の 4 社体験と R さんの 2 ヶ月を並べて眺めた今の私は、そう思っています。

人にもよりますが、迷っている時期は『求人を探す』前に『自分の軸を整理する』から始めるのが、遠回りに見えて実は一番早い道かもしれません。迷っている過去の自分に、私が今声をかけるとしたら、たぶんこの一言です。

よくある質問(FAQ)

Q: 20 代で何がしたいか分からないのは、遅れている証拠ですか?

個人的には、まったく遅れていないと思います。厚労省の統計では、大卒 3 年以内離職率は 32.3%(出典: 厚労省 新規学卒就職者の在職期間別離職状況 2022 年入社)で、3 人に 1 人は 20 代で最初のキャリアから外れる前提で社会が動いています。迷うのは、むしろ通過点。遅れてる証拠どころか、真面目に考えている証拠だと、私はそう捉えています。

Q: マッチング型と求人ぶつけ型、どう見分けますか?

人にもよりますが、私の 4 社体験で辿り着いた見分け方は、『初回面談で求人の話がどれくらい早く出てくるか』。初回 90 分のうち、最後の 30 分以降までほぼ求人の話が出てこないタイプはマッチング型寄り、初回面談当日のうちに求人票が 10 件以上送られてくるタイプは求人ぶつけ型寄り——これが個人的な体感のラインです。

Q: マッチング型は時間がかかるイメージがありますが、実際どうですか?

R さんのケースでは、方向性が言語化されるまで約 3 週間、OB 訪問を経て『応募したい企業』が 2 社決まるまで約 8 週間でした。求人ぶつけ型で 2 週間応募し続けて消耗したあげく数ヶ月止まるよりは、結果的にずっと早かった——これが本人の肌感覚です。ただし、成果は個人差があるので、同じペースを保証するものではありません。

Q: マッチング型エージェントのデメリットはありますか?

正直に書くと、『すぐに求人票をたくさん見たい人』『方向性がすでにハッキリ決まっている人』にとっては、マッチング型は遠回りに感じられる可能性があります。方向性が定まっている場合は、求人ぶつけ型のほうが効率的なケースも普通にあります。これは本当に人それぞれなので、自分の今の状態に合わせて選ぶのがいいと思います。

Q: 複数のエージェントを併用してもいいですか?

私自身が 4 社を同時併用して動いていたので、併用すること自体は全然問題ないと思います。ただ、迷い期の 20 代がいきなり 4 社に登録すると、私みたいに情報過多で夜中に机に突っ伏す羽目になる可能性が高いです。おすすめは、最初の 1〜2 ヶ月はマッチング型 1 社で方向性を固めて、それから求人量を増やすために総合型を 1〜2 社追加する、という順番。この段階的な使い方のほうが、体力的にも精神的にも持続しやすいと、個人的には強く思います。

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📚 本記事の参考文献・出典

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